東武博物館は、東京都墨田区東向島にある博物館で、東武鉄道に関する資料や車両などを収集・展示しています。東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)東向島駅の高架下に位置し、運営は一般財団法人東武博物館が行っています。
東武博物館は、東武鉄道の創立90周年を記念して1989年(平成元年)5月20日に開館しました。博物館は、実際に東武鉄道で使用された蒸気機関車、電気機関車、電車、バスなどの実物展示をはじめ、運転シミュレータやジオラマなど多彩な展示が揃っています。
博物館の建設地選定にあたっては、東武動物公園駅のヤード跡地や新越谷駅高架下、葛生駅ヤード跡地などが候補として挙げられました。最終的に、人口、交通アクセス、地域への貢献度などを考慮し、東向島駅の高架下が選ばれました。
2012年からは一部現役車両の保有も開始しており、8000系8111編成や「SL大樹」に使用される車両も展示されています。
東武鉄道開業時の蒸気機関車で、開業当時の姿に復元されています。車輪の回転演出が行われ、信号機を進行現示に切り替える演出も実施されます。
愛称「ネコひげ」として知られる電車で、2009年のリニューアル開館時に復元されました。
東武鉄道初の電車で、東武鉄道記念物に指定されています。
東武鉄道初の電気機関車で、リニューアル時に復元展示されました。
東武博物館では、電車用シミュレータ4台とバス用シミュレータ1台が設置されており、来館者は運転体験ができます。試験コースとプレミアムコースがあり、点数に応じて運転できるコースが決まります。
動力車操縦者国家試験を参考にした運転体験が可能で、伊勢崎線の区間急行や東上本線の普通列車が選べます。点数により「運転士見習」「運転士」「主任運転士」の資格が得られます。
プレミアムコースでは採点はされず、伊勢崎線の臨時快速「たびじ」などのコースを楽しむことができます。
8000系や50050系のシミュレータは無料で体験できますが、収録区間の選択はできません。全収録区間の運転が可能であり、来館者は実際に運用されていない車両での運転体験も楽しめます。
シミュレータには実車と異なる運転区間が設定されており、来館者は非日常的な体験を味わえます。また、シミュレータには注意書きがあり、現実の運転状況や過去の状況が再現されています。
東武博物館は、鉄道ファンだけでなく、幅広い世代が楽しめる施設です。展示物やシミュレータを通じて東武鉄道の歴史と技術に触れることができ、学びと娯楽が融合した空間を提供しています。