飛鳥山公園は、東京都北区にある区立公園で、東京都内の桜の名所の一つとして知られています。江戸時代享保年間に行楽地として整備され、明治6年(1873年)3月には日本最初の公園の一つに指定されました。旧渋沢家飛鳥山邸が位置しており、晩香廬(ばんこうろ)と青淵文庫(せいえんぶんこ)の建物は国の重要文化財に指定されています。
飛鳥山公園は、江戸時代から続く歴史ある公園で、徳川吉宗が享保の改革の一環として整備したことで知られています。江戸時代の当時、桜の名所が限られていたため、庶民が安心して花見を楽しむための場所として設けられました。現在もソメイヨシノを中心に約650本の桜が植えられており、花見の名所として親しまれています。
飛鳥山公園の名前の通り、一帯は小高い丘になっています。しかし、「飛鳥山」という名前は国土地理院の地形図には記載されておらず、その標高も正確には測量されていませんでした。北区では「東京都で一番低い」とされる港区の愛宕山(25.7メートル)よりも低いとされ、2006年に測量が行われ、実際に愛宕山よりも低い25.4メートルであることが確認されました。
飛鳥山公園の歴史は古く、江戸時代から続いています。
1873年の公園指定から2023年で150周年を迎え、区役所と商工会議所、民間企業が「飛鳥山150周年プロジェクト」を展開しています。2023年3月には飛鳥山を活用するアイデアをインターネットで募集し、6月10日にはたき火や江戸時代の娯楽をヒントにしたイベントが開催されました。
1998年(平成10年)に「飛鳥山3つの博物館」として、飛鳥山公園内に博物館ゾーンが設置されました。
地域の郷土資料を展示する博物館です。
世界でも有数の紙専門の博物館で、日本最初の洋紙工場だった旧王子製紙の収蔵資料を引き継いでいます。
実業家渋沢栄一に関する資料を収蔵展示する博物館です。
旧渋沢家飛鳥山邸「曖依村荘(あいいそんそう)」跡の庭園です。現存する晩香廬と青淵文庫の建物は国の重要文化財に指定されています。
飛鳥山古墳群は、公園内に分布する古墳群で、円墳5基以上から構成されています。古墳時代後期から終末期の6世紀後半から7世紀初頭にかけて造られたと推定されています。
飛鳥山公園は東京都北区王子1-1-3に位置しています。最寄り駅はJR京浜東北線および南北線王子駅から徒歩5分程度、都電荒川線の王子駅前停留場または飛鳥山停留場から徒歩3分です。有料駐車場もあり、園内にはスロープカー「飛鳥山公園モノレール」が設置されており、飛鳥山山頂駅へ登ることができます。