無量寺は、東京都北区西ケ原一丁目に位置する真言宗豊山派の寺院です。その歴史は古く、平安時代後期からこの地に寺院が存在していたことが確認されています。境内には、14世紀頃に作られた板碑が多数残されており、歴史的価値が高い寺院です。
無量寺の創建年代については不詳ですが、平安時代後期には既に寺院が存在していたことが知られています。江戸時代の慶安元年(1648年)には、江戸幕府から8石5斗余の朱印地を授かり、寺院としての基盤を固めました。さらに、元禄14年(1701年)には、5代将軍徳川綱吉の母である桂昌院が参詣したことでも知られています。
創建当初、無量寺は「長福寺」という寺号で知られていました。しかし、9代将軍徳川家重の幼名が「長福丸」であったことから、同名を避けるために「無量寺」という現在の名称に改められました。
本堂には、不動明王像が本尊として安置されています。この不動明王像には、興味深い伝説が伝えられています。ある夜、寺に盗賊が忍び込んだ際、この不動明王の前で突然動けなくなり、そのまま捕まったという出来事がありました。この出来事をきっかけに、無量寺の不動明王像は「足止め不動」として信仰を集めるようになりました。
また、本尊の隣には平安時代後期に作られたとされる阿弥陀如来坐像が安置されています。この阿弥陀如来像は、江戸六阿弥陀の一つとして古くから親しまれています。さらに、大師堂には「雷除けの本尊」として知られる聖観音像(伝・恵心作)が安置されており、多くの参拝者が訪れます。
無量寺には、以下のような主な施設があります:
無量寺へのアクセスは非常に便利です。JR京浜東北線の上中里駅、または東京メトロ南北線の西ケ原駅から徒歩7分で到着します。拝観は無料で、日中の時間帯に受け付けています。駐車施設も少数ながら完備されているため、車での訪問も可能です。
無量寺の近くには、旧古河庭園という歴史的な庭園もあります。無量寺への参拝と併せて、旧古河庭園も訪れてみてはいかがでしょうか。