東京都 » 東京都内(23区) » 練馬・板橋

大氷川(氷川神社)

(おおひかわ ひかわ じんじゃ)

氷川神社は、東京都練馬区氷川台に位置する神社です。地元では「大氷川」とも称され、須佐之男命を主祭神として祀っています。この神社は毎年4月と9月に祭事が行われ、地域の人々に親しまれています。氷川台の町名はこの神社に由来しています。

神社の由緒

氷川神社の創建は、1457年(長禄元年)とされています。渋川義鏡が古河公方の足利成氏との戦いの途上、石神井川を渡ろうとした際に泉を見つけ、武運長久を祈願したことが始まりとされています。もともと「お浜井戸」と呼ばれる場所に鎮座していましたが、1477年(文明9年)の江古田原の戦いによって焼失しました。その後、江戸時代の延享年間(1744年〜1748年)に現在の場所に移転し再建されました。

氷川神社の文化財

神輿渡御行列図絵馬

1910年(明治43年)に奉納された「神輿渡御行列図絵馬」は、練馬区指定有形民俗文化財として2005年に指定されました。この絵馬は、江戸時代から続く「お浜井戸の里帰り行列」を描いたもので、50名余りが太鼓や旗を持ち、巡査が先導する行列が石神井川沿いを進む様子が詳細に描かれています。大きさは横143cm、高さ56cmで、現在非公開となっています。

氷川神社の狛犬

1787年(天明7年)に造立された狛犬は、練馬区登録有形文化財として1988年に登録されました。この狛犬は獅子型で、高さ60cmの石造です。特に左側にある「吽形像」の台石には「天明七年」の銘が刻まれており、練馬区内で最も古い狛犬として知られています。

角柱型水盤

1747年(延享4年)に造立された角柱型水盤は、練馬区登録有形文化財として保存されています。この水盤は幅50cm、奥行46cm、高さ61cmの石造で、正面には「延享四年下練馬上宿」の銘が刻まれています。区内の神社に残る唯一の角柱型水盤として貴重な存在です。

大氷川の力石

「大氷川の力石」は、練馬区登録有形民俗文化財に指定されています。力石は、江戸時代後期から明治時代にかけて、若者が力試しに使用した河原石であり、持ち上げた石に重量や姓名を刻んで奉納したものです。氷川神社に残る力石の中でも「六拾貫目」と刻まれたものは、特に大きなものであり、重要な歴史的遺物です。

氷川神社の無形文化財

鶴の舞

「鶴の舞」は、江戸時代から伝わる鶴の擬態芸能であり、練馬区指定無形民俗文化財に指定されています。この舞は、氷川神社の春祭「お浜井戸の里帰り」の際に行われるもので、現在は3年に一度、4月の第2日曜日に実施されています。この芸能を保存しているのは「氷川神社宮宿鶴の舞保存会」で、地域の伝統を守り続けています。

神輿渡御の御供道中歌

「神輿渡御の御供道中歌」は、江戸時代から続く氷川神社春祭「お浜井戸の里帰り」の際に唄われる伝統的な歌です。練馬区登録無形民俗文化財に指定されており、現在も保存されています。こちらも「氷川神社宮宿鶴の舞保存会」がその伝統を守り続けています。

草摺引図絵馬

「草摺引図絵馬」は、江戸時代中期(18世紀半ば頃)に制作された役者絵馬で、練馬区登録有形文化財に登録されています。3枚の板を並べて1枚に仕立てた大きな絵馬で、縦96.5cm、横122.8cmという大きさを持ちます。この絵馬は、区内に残る江戸時代の役者絵馬として非常に珍しいものです。

その他の文化財

一の鳥居

氷川神社には、1775年(安永4年)に造立された石造りの鳥居も残されています。この「一の鳥居」は、歴史的価値が高く、神社を訪れる参拝者に古来からの信仰の姿を伝えています。

氷川神社のアクセス情報

氷川神社は、都心からもアクセスが良く、周辺の住民だけでなく、遠方からの参拝者も訪れる人気の神社です。祭事が行われる4月と9月は特に賑わい、多くの人々が集まります。神社周辺には自然も多く、静かな環境の中で参拝することができます。

交通アクセス

氷川神社へは、東京メトロ有楽町線および副都心線の氷川台駅から徒歩でアクセスできます。駅からも近く、訪れるのに便利な立地です。

Information

名称
大氷川(氷川神社)
(おおひかわ ひかわ じんじゃ)

練馬・板橋

東京都