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東映アニメーションミュージアム

(Toei Animation Museum)

東映アニメーションミュージアムは、東京都練馬区東大泉に位置し、東映アニメーション大泉スタジオの1階に設置されたアニメに特化したミュージアムです。2003年3月29日に「東映アニメーションギャラリー」として開館しましたが、社屋の建て替えに伴い一時閉館し、2018年7月28日に現行の名称である「東映アニメーションミュージアム」に改称し、リニューアルオープンしました。

開館の経緯と目的

東映アニメーションギャラリーは、東映アニメーションがこれまでに制作したテレビアニメやアニメ映画に関連する資料を展示する目的で、2003年3月29日にオープンしました。当時、ギャラリーは大泉スタジオ内の特撮ステージ(旧・CMスタジオ)を改装して設置されました。ここでは歴代の作品がパネル展示され、時期によっては特定の作品に焦点を当てた企画展も行われていました。

無料で楽しめるアニメの世界

東映アニメーションギャラリーの入場は無料で、社屋内に入るため、入館時には守衛に申し込んで手続きを行う必要がありました。ギャラリーは開館8周年を迎えた2011年3月29日からニンテンドーゾーンを導入し、『DSでみる 東映アニメーションギャラリー』というコンテンツを提供していました。このコンテンツでは、東映アニメーションが制作した作品の概要や創立50年までの歴史を確認することができました。

東映アニメーションミュージアムへの進化

2014年9月23日、東映アニメーションギャラリーは大泉スタジオの建て替えに伴い長期休館することが発表されました。6月21日から最後の企画展が行われ、ギャラリーは閉館されました。その後、2017年8月に新スタジオが完成し、2018年1月から稼働を開始、同年7月20日に「東映アニメーションミュージアム」として改称されました。新しいミュージアムは旧ギャラリーよりも広いスペースを持ち、7月28日にグランドオープンしました。

新たなシンボルと施設の特徴

リニューアルされたミュージアムとショップの間にある中庭には、シンボルキャラクターである『長靴猫シリーズ』のペロの像が設置された噴水があり、1時間おきに噴水の演出が行われます。また、自由に絵が描ける黒板も用意され、訪れる人々にクリエイティブな体験を提供しています。

展示内容

常設展示(撮影禁止エリア)

東映アニメーションミュージアムでは、現在放送中の作品を中心に、設定資料や原画、セル画などを展示しています。また、アニメの制作プロセスを楽しく学べるインタラクティブな仕掛けも用意されています。さらに、東映動画時代を含む東映アニメーションが制作したほぼすべての歴代作品を調べることができる大型タッチモニター「東映アニメーションワークス」が設置されており、作品によってはオープニング・エンディング映像を視聴することもできます。

あそべるコーナー(撮影可能エリア)

ミュージアム内には、看板作品の登場キャラクターのスタンディや等身大フィギュアなどが設置されたフォトスポットがあり、訪れる人々が写真を撮って楽しむことができます。また、関連グッズの試用や関連図書の試し読み、ぬいぐるみボールプールなど、作品の世界観を楽しむことができるさまざまな仕掛けが設けられています。当初、このスペースはイベントスペース(企画展スペース)として機能していました。

ミュージアムショップ

東映アニメーションミュージアムには、イベントスペースで開催される企画展と連動したキャラクターグッズショップがあり、東映アニメーション作品のグッズが多数取り扱われています。また、新スタジオが稼働を開始した後、ミュージアム開館前には、注目の新作作品を展示するショールームとしても利用されていました。

旧ギャラリー時代の展示内容

企画展スペース(企画展コーナー)

旧ギャラリー時代の企画展スペースでは、特定の作品に焦点を当てた展示が行われていました。ここでは、製作資料やグッズが展示されており、壁面上部には2011年までの東映動画時代を含む東映アニメーションが制作したほぼすべてのテレビアニメのワンカットが展示されている『TVアニメシリーズ展』が設置されていました。

歴史展示スペース(ヒストリーコーナー)

歴史展示スペースでは、1980年代前半までのアニメ映画のポスター、アニメ年表、アニメの制作過程、そしてギャラリーの歴代の企画展のポスターなどが展示されていました。この展示は、東映アニメーションの豊かな歴史を振り返る貴重な機会を提供していました。

昭和のお茶の間

「昭和のお茶の間」と題された展示では、1960年代の日本の居間が再現され、モノクロアニメに関連する資料が展示されていました。このエリアは、訪れる人々に昭和時代の日本の家庭文化とアニメの歴史を感じさせるものでした。

プリキュアコーナー

プリキュアコーナーでは、歴代のプリキュアシリーズの宣伝ポスターが展示され、『ドキドキ!プリキュア』の等身大フィギュアとの記念撮影スペースや、パソコンで楽しめる塗り絵コーナーも設けられていました。この展示は、プリキュアファンにとって特別な体験となっていました。

サロン

旧ギャラリーには「サロン」というエリアがあり、ここでは社内OBによる展覧会が開催されていました。併設のショーケースには、これまでの東映アニメのフィギュアやポスターなどが展示され、訪れる人々に東映アニメーションの豊かな歴史とその作品に対する敬意を感じさせました。

これまでの企画展

東映アニメーションミュージアムの企画展

東映アニメーションミュージアムでは、開館以来さまざまな企画展が開催されてきました。以下にいくつかの代表的な企画展を紹介します。

プリキュアあそべるひろば(2018年7月20日 - 2019年1月29日)

この企画展は、プリキュアシリーズのファンに向けて開催されました。プリキュアの世界を体験できるさまざまなアクティビティが用意され、子どもから大人まで楽しめる内容となっていました。

ドラゴンボール超 ブロリー 公開記念 特別展示(2018年11月30日 - 2019年2月28日)

映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の公開を記念して開催された特別展示です。映画の制作過程やキャラクターに関する資料が展示され、ドラゴンボールファンにとって見逃せない展示となりました。

映画「二ノ国」公開記念展示(2019年6月29日 - 2019年9月1日)

映画『二ノ国』の公開を記念して開催された展示です。映画の制作秘話やキャラクターデザインの裏側が紹介され、多くのファンが訪れました。

魔女見習いをさがして展(2020年10月31日 - 2021年5月9日)

アニメ映画『魔女見習いをさがして』の公開を記念して行われた展覧会で、映画の制作に関する資料や設定資料が展示されました。映画に登場するキャラクターたちの魅力が余すところなく紹介され、多くのファンが訪れました。

アクセスと施設情報

東映アニメーションミュージアムは、東京都練馬区東大泉に位置しており、公共交通機関を利用してのアクセスが便利です。西武池袋線「大泉学園駅」から徒歩圏内にあり、車でのアクセスも可能です。また、ミュージアム内には、カフェやショップも併設されており、アニメに関連するグッズの購入や、軽食を楽しむことができます。これにより、訪問者はミュージアムでの時間をより充実させることができます。

日本アニメ発祥の地 練馬区

練馬区は東京都の特別区の一つで、23区の中でも西部に位置しています。この地域は、特にアニメーションの制作において重要な役割を果たしてきました。そのため、練馬区は「日本アニメ発祥の地」とも称されています。以下では、練馬区と日本アニメーションの歴史、練馬区が育んだ代表的なアニメ作品、そして東映アニメーションミュージアムについて詳しく説明します。

練馬区と日本アニメーションの歴史

東映動画と大泉スタジオの誕生

練馬区が日本アニメの中心地として発展した背景には、1956年に設立された「東映動画」(現在の東映アニメーション)の存在があります。東映動画は、練馬区の大泉学園に「大泉スタジオ」を開設し、日本初の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』を1958年に制作しました。この作品は、日本のアニメーション業界の発展において重要なマイルストーンとなり、練馬区をアニメ制作の拠点として知られるようにしました。

多くのアニメ制作会社の集積

東映アニメーション以外にも、練馬区には多くのアニメ制作会社が集積しています。これには、日本を代表するアニメーションスタジオである「虫プロダクション」や「スタジオぴえろ」、さらに「トムス・エンタテインメント」などが含まれます。これらのスタジオは、数多くの人気アニメ作品を生み出し、日本国内外で高い評価を受けています。これらの制作会社の存在により、練馬区は日本のアニメ産業の中心地の一つとして、国内外で広く認知されています。

アニメ文化の継承と発展

練馬区は、日本アニメの発展を支えてきた地域として、アニメ文化の継承と発展にも力を入れています。区内には、アニメーションミュージアムやギャラリーが設置されており、訪れる人々がアニメの歴史や制作過程を学ぶことができる場が提供されています。また、地域全体でアニメに関連するイベントや展示会が頻繁に開催されており、アニメファンにとっても重要なスポットとなっています。これにより、練馬区は単なるアニメ制作の拠点にとどまらず、アニメ文化の発信地としても機能しています。

練馬区が育んだ代表的なアニメ作品

東映アニメーションの代表作

練馬区を拠点に制作されたアニメ作品には、多くの名作が含まれています。例えば、東映アニメーションによる『ドラゴンボール』や『セーラームーン』、そして『プリキュア』シリーズなどは、国内外で爆発的な人気を誇る作品です。これらの作品は、いずれも練馬区内のスタジオで制作され、世界中の視聴者に愛され続けています。特に『ドラゴンボール』は、海外でも大きな影響力を持ち、日本のアニメ文化を世界に広めるきっかけとなった作品として知られています。

手塚治虫と虫プロダクション

また、手塚治虫の『鉄腕アトム』や『ブラック・ジャック』なども練馬区で制作された作品であり、日本のアニメ史において極めて重要な作品となっています。手塚治虫は「アニメの神様」とも称されるほどの存在であり、彼が設立した虫プロダクションは、日本アニメーションの基盤を築いたスタジオの一つです。『鉄腕アトム』は、テレビアニメとして初めての30分枠の番組として制作され、以降のテレビアニメの形式を確立しました。

トムス・エンタテインメントと『ルパン三世』

トムス・エンタテインメントも練馬区に拠点を置く重要なアニメ制作会社です。このスタジオで制作された『ルパン三世』は、日本国内のみならず、世界中で高い人気を誇る作品です。『ルパン三世』は、その独特なキャラクターとストーリーで、多くのファンを魅了してきました。シリーズは何度もアニメ化されており、映画やスペシャルも数多く制作されています。これにより、『ルパン三世』は、練馬区から世界に発信された代表的なアニメ作品の一つとなっています。

東京アニメセンター

練馬区には「東京アニメセンター」もあり、アニメに関連する展示やイベントが定期的に行われています。東京アニメセンターは、最新のアニメ情報を発信する場として、多くのアニメファンに支持されています。ここでは、アニメグッズの販売やサイン会、トークイベントなどが開催され、アニメ業界の最新トレンドを学ぶことができます。特に、若い世代のアニメファンにとっては、非常に魅力的なスポットです。

展示内容とイベント

東京アニメセンターでは、様々なアニメ作品に関する展示が行われています。これには、最新のアニメーションの展示や、過去の名作の特集展示などが含まれます。これにより、訪れる人々は、アニメーションの進化を感じながら、最新のアニメ作品についての知識を深めることができます。また、定期的に行われるイベントでは、アニメ業界のプロフェッショナルとの交流が可能であり、アニメ制作の舞台裏を知る貴重な機会を提供しています。

Information

名称
東映アニメーションミュージアム
(Toei Animation Museum)

練馬・板橋

東京都