神戸岩は、東京都西多摩郡檜原村にある自然の大岩壁であり、東京都の指定天然記念物として知られています。雄大な自然景観と神秘的な歴史が息づくこの場所は、多くの自然愛好者や観光客に訪れられています。
神戸岩は、北秋川の支流である神戸川の上流部に位置し、赤井沢を挟んでそびえる大岩壁です。下流側から見て右側の岩壁は高さ約100メートル、左側は約80メートルにも達し、その壮大さに圧倒されます。
岩の間を流れる赤井沢は、滝が連続する狭い峡谷を形成しています。そのため、岩の間を縫うように遊歩道が設けられており、訪れる人々はこの道を歩きながら滝や岩壁の雄大な景観を楽しむことができます。
神戸岩の岩質はジュラ紀に形成された硬質なチャート層であり、この頑丈な岩質が風雨による侵食に耐え、現在のような峡谷と屹立する岩壁を形成しました。赤井沢には滝が連続する狭い峡谷があり、その間を縫うように遊歩道が整備されています。
神戸岩は、1919年(大正8年)に東京都から名勝の指定を受けました。その後、1934年(昭和9年)には国の天然記念物にも指定されましたが、戦後の法改正により一度指定が無効となりました。その後、1960年(昭和35年)に再度、東京都から天然記念物に指定されています。
神戸岩の名称は、下流から見た際に、岩がまるで石の扉が開きかけているように見えることから「天岩戸」を連想させることに由来しています。また、この岩の延長線上には大嶽神社があり、この岩を神域への入り口と見立て、「神域の戸岩」=「神戸戸岩」=「神戸岩」となったという説が有力です。
神戸岩は、険しい岩壁と連続する滝が作り出す独特の景観が特徴です。訪れる人々は、この自然の美しさとスケールの大きさに心を奪われます。特に、春から秋にかけての新緑や紅葉の時期には、遊歩道を歩きながら四季折々の風景を楽しむことができます。
神戸岩の近隣には、多くの自然スポットが点在しています。特に、近くにある大嶽神社は、神聖な雰囲気に包まれた場所で、神戸岩と併せて訪れることで、より一層の自然の美しさと歴史を感じることができるでしょう。
赤井沢の滝:清らかな水が岩間を流れ落ちる様子が美しいです。
北秋川(きたあきがわ)は、東京都西多摩郡檜原村を流れる一級河川で、多摩川水系の秋川(南秋川)の支流です。清らかな水流と美しい自然が特徴の河川で、沿岸にはキャンプ場や自然公園が点在しています。
北秋川は、奥多摩周遊道路の最高地点付近に位置する檜原村と奥多摩町の境界、月夜見山東斜面に源を発します。月夜見沢としておおむね東へ流れ、北秋川となり、檜原村役場付近で南秋川(秋川)と合流します。東京都道205号水根本宿線に沿って流れるため、アクセスしやすい立地となっています。
北秋川の流域には、自然を満喫できるキャンプ場「北秋川自然休暇村」があり、家族連れやアウトドア愛好者に人気です。川遊びやバーベキューなど、さまざまなアクティビティが楽しめる環境が整っています。
北秋川にはいくつかの支流があり、主なものにはセト沢、八割沢、神戸川、湯久保沢、月夜見沢、白岩沢があります。これらの支流は北秋川に豊かな水を供給し、美しい景観と生態系を支えています。
神戸岩へのアクセスは以下の通りです。
東京都西多摩郡檜原村神戸8020-2, 8038-2, 8082-2, 8083-2
西東京バス「藤倉」行きのバスに乗り、「神戸岩入口」で下車後、徒歩約40分で到達できます。