武蔵御嶽神社は、東京都青梅市にある歴史ある御嶽神社です。この神社は武蔵御岳山の山上に鎮座しており、古くから信仰を集めてきました。
武蔵御嶽神社は、修験道の中心地である奈良県吉野地方の金峯山を起源としています。この神社では蔵王権現や櫛真智命を祀っており、山岳信仰の霊場として中世以降に発展しました。武蔵国と相模国に広がる信仰圏を持ち、式内社の大麻止乃豆天神社であるとの説があります。現在は旧府社であり、神社本庁には属していない単立神社です。また、ご眷属の大口真神(おいぬ様)も祀られているため、犬を連れて参拝する方が増えており、御岳登山鉄道では犬の乗車が可能です。
武蔵御嶽神社の創建は、崇神天皇7年(紀元前91年)とされ、天平8年(736年)に行基が蔵王権現を勧請したと伝えられています。文暦元年(1234年)には、大中臣国兼が荒廃していた社殿を再興し、以後は修験場として関東の武家政権や武士から多くの武具が奉納されました。江戸時代には、慶長10年(1605年)に大久保長安が普請奉行として本社を整備し、元禄13年(1700年)には幣殿と拝殿が建立されました。
明治時代に入ると神仏分離が行われ、御嶽大権現(御嶽蔵王権現)から「大麻止乃豆天神社」に改称されました。しかし、同様に大麻止乃豆天神社とされる神社が他にもあったため、最終的に「御嶽神社」と改称し、昭和27年(1952年)に現在の「武蔵御嶽神社」となりました。
本社の拝殿は五間社入母屋造で朱塗りの鮮やかな社殿です。唐破風の向拝には彫刻が施されています。現在の本殿は一間社神明造で、明治10年(1877年)に造営されました。酉年に行われる酉年式年大祭では、秘仏の蔵王権現が12年に一度御開帳されます。
大口真神社(おおくちまがみしゃ)は、大口真神を祀る社であり、本社玉垣内の神明社の後方に瑞垣に囲まれて鎮座しています。御嶽神社の眷属である狼を祀っています。現在の社殿は昭和14年(1939年)に建てられた一間社流造の社殿で、豪華な彫刻が施されています。社殿後方は奥宮遥拝所となっています。
大鳥居の先にある朱塗り一層の随身門や稲荷社、三柱社、その他の神社も境内に点在しています。
武蔵御嶽神社では、年間を通じて様々な祭事が行われています。主な祭事には以下のものがあります:
武蔵御嶽神社へは、青梅線の御嶽駅からバスとケーブルカーを利用するのが便利です。登山道も整備されており、ハイキングを楽しみながら参拝することもできます。
ぜひ歴史深い武蔵御嶽神社を訪れ、その神秘的な雰囲気を感じてください。