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川苔山

(かわのりやま)

川苔山(川乗山)は、東京都西多摩郡奥多摩町に位置する標高1363.3メートルの山です。この山は「川苔山」または「川乗山」と表記されることがありますが、正式な名称は「川苔山」です。

概要

川苔山は、奥多摩町役場から北に約5キロメートルの場所にあり、埼玉県との県境にも近接しています。奥多摩山域の中では比較的登山者が多く、四季を通じて人気のある山です。山頂からは南東方向に向かって尾根や沢が長く伸びており、奥地には造林用の林道や小屋の跡があります。かつては山頂付近に茶屋があり、休憩場所として利用されていました。

また、獅子口小屋跡にある湧き水は「東京都の湧水57選」に選ばれており、訪れる登山者に清涼な水を提供しています。ただし、2019年現在、奥多摩湖と接続する林道は整備が不十分で、危険なため立ち入りが禁止されています。車での通行もできません。

川苔山の名称と表記

川苔山の名称は、「川苔」と「川乗」という表記が混在しています。バス停や地図上では「川乗」と表記されていますが、「川苔」は海苔に似た淡水産の緑藻を意味し、川苔谷という名前の谷が存在することから山名が付けられたとされています。そのため、本来の名称は「川苔山」が正しいと言われています。

登山コース

川乗橋からのルート

JR青梅線奥多摩駅から日原方面行きの西東京バスに乗り、約15分で川乗橋に到着します。ここから川苔谷沿いの林道を歩き、途中で林道と分かれて百尋ノ滝を経由し、横ヶ谷を渡ります。横ヶ谷では足毛岩沿いのルートと横ヶ谷沿いのルートに分かれますが、どちらのルートも山頂にたどり着くことができます。

鳩ノ巣駅からのルート

鳩ノ巣駅からは多彩なルートが選べます。例えば、本仁田山経由、大ダワ経由、最短ルートで舟井戸に行くことが可能です。ただし、大ダワのコースは岩尾根が続き、雨天時や雨の後には危険なため、避けた方が良いでしょう。舟井戸からは20分ほどで頂上に到達します。

その他のルート

その他にも、多様な登山ルートがあります。例えば、川井駅から清東橋までバスで行き、大丹波川沿いに登るコースや、獅子口小屋跡の湧き水を通り、長沢背稜から続く尾根をたどり、曲ヶ谷北峰経由のコース(途中、ショートカットも可能)などがあります。また、古里駅から赤杭尾根を登るルートは2.5時間ほどで山頂に到達できます。

注意事項

川苔山の登山コースは変化に富み、百尋ノ滝や舟井戸などの特徴的な地形が魅力的です。しかし、各ルートは複雑に入り組んでおり、迷いやすい場所もあります。また、登山道は急峻で狭い箇所も多いため、注意が必要です。川苔山は低山ではありますが、しっかりとした準備と慎重な行動が求められます。

表記について

正式な名称は「川苔山」であり、昭文社の「山と高原地図」にもそのように記載されています。山名の由来は、登山コースの一つである川苔谷にあります。川苔谷では、川苔という淡水産で食用の緑藻が採れることから、この谷の名前が山名の由来となっています。

一方で、山頂の標識や道中の案内標識には「川乗山」や「川乗谷」と表記されている場合もあります。これは、かつて国土地理院の地形図で「川乗山」「川乗谷」と誤記されていたためです。この誤記は、平成8年に発行された1/2.5万地形図で「川苔山」「川苔谷」と正式に修正されました。しかし、ウェブサイト「ウォッちず」では「川乗山」「川乗谷」の表記が残っています。また、登山口の一つである川乗橋も現在では「川乗」と表記されています。

Information

名称
川苔山
(かわのりやま)

奥多摩・青梅

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