昭和幻燈館は、東京都青梅市に位置する博物館であり、昭和とレトロをテーマとした展示が特徴です。青梅市の住江町商店街に位置し、昭和の懐かしい風景や文化を再現した展示物が並び、訪れる人々に昭和の時代を追体験させてくれる場所です。
昭和幻燈館は、2005年(平成17年)4月29日に開館しました。この博物館は、青梅市内にある他の昭和レトロ商品博物館や青梅赤塚不二夫会館(2020年3月閉館)に次いで、住江町商店街で3館目の展示施設として誕生しました。
館長の横川秀利氏のもと、昭和時代の看板や当時の文化を象徴する展示物が数多く展示されています。また、昭和幻燈館の特色として、昭和時代の懐かしい風景やアイテムだけでなく、猫をテーマとしたグッズも展示されており、幅広い層の来館者に楽しんでもらえる内容となっています。
昭和幻燈館では、墨絵作家である有田ひろみ氏のガラス絵や、ぬいぐるみ作家である有田ちゃぼ氏の作品が展示されています。さらに、ジオラマ作家の山本高樹氏による、1955年(昭和30年)頃の青梅の街並みを再現したジオラマも見どころのひとつです。
これらの展示は、来館者に昭和の時代の風景や雰囲気を感じさせ、当時の日本の生活や文化に触れることができるよう工夫されています。また、館内にはお土産コーナーが併設されており、昭和時代をテーマにしたアイテムやグッズが購入できるのも魅力のひとつです。
昭和幻燈館のジオラマ展示は、電気キネマ館や妖しの見世物小屋、隠れ里の温泉、サムライ商会、ガード下パラダイスなど、昭和の様々なシーンを再現しています。特に、坂の上の遊郭や雪国の市、冬支度といった展示は、当時の風景や人々の暮らしを生き生きと表現しています。
また、凌雲閣の怪人や駄菓子屋、墨東の色町、荷風と額縁ショウなど、昭和の多彩な文化や風俗をテーマにした展示も充実しており、来館者は時間を忘れて楽しむことができます。
ジオラマ作家の山本高樹氏は、1964年に千葉県市川市で生まれ、映画やテレビ、コマーシャルなどの映像美術に携わった後、2001年にジオラマ作家として独立しました。昭和の町並みや民家をテーマにした作品で知られ、特に昭和の心象風景シリーズは多くのファンに愛されています。
山本氏の代表作には、2004年に開館した昭和幻燈館で展示されているジオラマがあり、これが彼の名誉館長就任のきっかけとなりました。また、2012年にNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のタイトルバックに使用されたジオラマも彼の手によるもので、現在はNHK放送博物館で展示されています。
さらに、2020年にはトキワ荘マンガミュージアムの公開に合わせて、トキワ荘ジオラマを制作するなど、現在も精力的に活動を続けています。
山本高樹氏は、単なる情景模型ではなく、今はもう見ることのできない日本の原風景を「幻風景」として蘇らせるというテーマで、全国各地でジオラマ展を開催しています。2012年には日本橋高島屋で初の展示を行い、その後も全国20箇所以上で展示会を開催しました。
昭和幻燈館の入場料は、大人200円、小・中学生100円と非常にリーズナブルで、多くの家族連れや観光客が気軽に訪れることができます。
昭和幻燈館は、昭和の時代をテーマにした貴重な展示が豊富に揃う博物館です。ジオラマ展示や有名作家の作品を通して、訪れる人々に昭和の懐かしい風景や文化を感じさせてくれます。特に、山本高樹氏のジオラマ作品は、当時の風景をリアルに再現しており、見応えがあります。青梅市を訪れる際には、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。