二宮神社は、東京都あきる野市に位置する歴史ある神社です。武蔵国の二宮として知られ、旧社格は郷社に分類されます。別称として「小河神社」とも呼ばれ、古くは「小河大明神」や「二宮大明神」としても知られていました。
二宮神社は、東京都あきる野市二宮に鎮座しており、古来よりこの地域の守護神として崇敬を集めています。神社は、多摩郡小川郷の鎮守として『和名抄』にも記されており、古くから「小河大明神」として知られていました。
当神社の祭神は、国常立尊(くにとこたちのみこと)です。国常立尊は、天地開闢に登場する神であり、非常に古い神話に登場する神格です。
二宮神社の創建年代ははっきりとはわかっていませんが、鎌倉時代の記録によると、藤原秀郷が戦勝祈願を込めてこの神社に社殿や玉垣を造営したと伝えられています。さらに、源頼朝や北条氏政もこの神社を崇敬し、北条氏照が滝山城主として特に篤く崇敬したとされています。
また、二宮神社の境内には、かつて「二宮城」と呼ばれる城があったとの伝承もありました。1972年に発掘調査が行われましたが、城に関する証拠は発見されませんでした。しかし、この調査では薬師如来像などが発見され、当時の寺院の存在がうかがえる新たな歴史的な発見がありました。
徳川家康からは朱印地15石を与えられ、現在の本殿は江戸時代に建てられたものとされています。明治時代には「二宮神社」という現在の社名に改称されました。
本殿は三間社流造で、江戸時代の造営です。内部には室町時代に造られた宮殿が納められており、この宮殿はあきる野市の指定文化財となっています。
二宮神社の参道を進むと、石段を降りて道路を渡った先に「お池」と呼ばれる湧き水の池があります。この湧水は非常に豊富で、「千人清水」という名の小川として流れ出しています。この清らかな湧水は、東京都が選定する「東京の名湧水57選」のひとつに数えられています。
お池には1990年に制作された「雨乞いの男」という像が設置されています。この像は、かつてこの地で雨乞いの儀式が行われたという伝承に基づいて作られたものです。
二宮神社の境内には、以下のような末社も鎮座しています。
二宮神社では年間を通じて多くの祭事が行われています。特に、以下の祭事が有名です。
毎年9月9日に行われる例大祭は「しょうが祭」として広く知られています。この祭りでは、生姜を神饌として奉納し、参道には生姜を売る店が並びます。また、祭り当日は神輿の渡御や秋川歌舞伎の上演なども行われ、にぎやかな雰囲気に包まれます。
二宮神社は、いくつかの重要な文化財を有しています。特に、以下の文化財が注目されています。
二宮神社は東京都あきる野市二宮2252に位置し、最寄り駅はJR東日本五日市線の東秋留駅です。駅から徒歩5分ほどの場所にあり、交通アクセスも良好です。駐車場はありませんが、周辺の公共交通機関を利用してアクセスすることができます。
二宮神社には「二宮考古館」という付属施設があり、市内の発掘調査で出土した土器や石器などを展示しています。この施設は無料で見学でき、あきる野市の歴史や文化を学ぶことができます。