東宝日比谷ビルは、東京都千代田区有楽町に位置する高層ビルであり、オフィスとショッピングモールから構成されています。東宝の本社が入居しているこのビルは、一般にはショッピングモール「日比谷シャンテ」がある建物として広く知られています。不動産としては東宝が所有しており、映画ファンや買い物客にとって重要なスポットとなっています。
東宝日比谷ビルは、旧日比谷映画劇場・有楽座の跡地を再開発して、1987年(昭和62年)10月に開業しました。この再開発により、ビルは「合歓の広場(現:日比谷ゴジラスクエア)」および別館として扱われる「シャンテビル(現:TOHOシネマズシャンテ)」とともに誕生しました。
このビルの設計・施工は竹中工務店が担当し、東宝が所有するビルの中でも最大級の延床面積を誇ります。開業当初、オフィスフロアは日本生命保険へ一括賃貸され、日本生命保険東京本部が入居していました。この賃貸により、東宝はビルの建設費用約170億円の約80%を日本生命保険からの入居保証金で賄うことができました。残りの費用も手元資金で賄い、無借金でビルを完成させました。
2004年、日本生命丸の内ビルが竣工したことで、日本生命保険東京本部は新ビルへ移転しました。これに伴い、東宝日比谷ビルのテナント構成も大きく変わり、現在は東宝本社(登記上の本店)やプレス向け試写室、TOHOシネマズ本社、ぐるなび本社、MCフードスペシャリティーズ本社、ジェイツ・コンプレックス本社などが入居しています。
日比谷シャンテ(ひびやシャンテ、HIBIYA Chanter)は、東宝日比谷ビルの地下2階から地上3階、および隣接するシャンテビル(TOHOシネマズシャンテが入居)に位置するショッピングモールです。シャンテビル区画および「日比谷ゴジラスクエア」にあるビル塔屋(地上2階部分、1階は地下駐車場入口)は別館として扱われています。
日比谷シャンテは開業と同時に、TBSテレビがサテライトスタジオを設置し、テレビ番組の生放送が行われていました。しかし、1994年にTBSの赤坂放送センター(ビッグハット)が完成すると、サテライトスタジオは閉鎖され、映画館「シャンテシネ」(現:TOHOシネマズシャンテ)のスクリーンへと改築されました。
開業以来、日比谷シャンテには服飾品ブティックや喫茶店が主に入居していましたが、2000年代後半には一部のショップ区画がレストラン街へと転換されました。さらに、2018年には開業30周年を記念して大規模なリニューアルが実施され、東京ミッドタウン日比谷の開業に合わせて、新たな施設として生まれ変わりました。
リニューアルの一環として、かつて「合歓の広場」として親しまれていたエリアは「日比谷ゴジラスクエア」と改称され、そこには1995年から設置されていた「ゴジラ像」も新たに作り替えられました。この新しいゴジラ像は、2016年公開の映画『シン・ゴジラ』をモデルにしており、台座を含めて高さ3メートルに達する巨大なものとなっています。
また、合歓の広場に設置されていた映画スターの手形は、リニューアル後に日比谷シャンテ本館の地下2階「スターギャラリー」へ移設され、訪れる人々に楽しんでもらえる場所となっています。
日比谷シャンテは、地元や観光客にとって重要なショッピングモールであり、長年にわたり人々に愛され続けています。特に「シャンテバザール」と呼ばれるバーゲンセールは、冬期(12月頃)と夏期(7月頃)に開催され、関東ローカルのテレビCMや映画館のスクリーンCMで大々的に宣伝されました。また、施設のイメージキャラクターとして高橋彩が起用されていたこともあります。
かつて日比谷シャンテ内に設置されていたTBSサテライトスタジオでは、以下のような生放送番組が制作・放送されていました。
東宝日比谷ビルおよび日比谷シャンテは、映画ファンや買い物客にとって魅力的なスポットであり、東京都千代田区有楽町のランドマーク的存在です。特に2018年のリニューアル後は、新たな観光名所として多くの人々に愛されています。日比谷ゴジラスクエアや映画スターの手形など、見どころも豊富であり、これからも訪れる人々に楽しい時間を提供し続けることでしょう。