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日比谷公園

(ひびや こうえん)

日比谷公園は、東京都千代田区に位置する公園であり、町名でもあります。日本初の近代的洋風公園として知られ、東京都建設局が管理する都立公園です。2007年には景観法の「景観重要公共施設」に指定されました。

公園の概要

日比谷公園は、東京都心の「日比谷」と称されるエリアに位置しており、周囲には霞が関、有楽町、内幸町、銀座といった地域があります。総面積は161,636.66㎡で、東京都市計画公園第9・6・6号中央公園の一部を構成しています。この広大な敷地は、東京ドームやバチカン市国と比較されることもあります。

自然環境

日比谷公園は芝生や樹林地、池などがあり、身近な生物が観察できる自然豊かな空間です。特に千代田区において、自然植生の少ない地域において貴重な自然環境を提供しています。

社会的環境とイベント

北側には皇居前広場、西側には中央官庁街、東側や南側にはビジネス街が広がり、ビジネスや観光の拠点としても機能しています。園内では日比谷公園ガーデニングショーを始めとする様々なイベントや展示が頻繁に開催されており、文化・音楽、園芸、鉄道、スポーツなど幅広い分野の催しが行われます。テレビドラマの撮影地としても使用されることが多いです。また、東京地方裁判所での公判傍聴希望者が多い場合、抽選が日比谷公園で行われることもあります。

園内の施設

日比谷公園には、多くの施設があります。市政会館や日比谷公会堂、大小の野外音楽堂、日比谷図書文化館、レストラン&結婚式場「日比谷パレス」、テニスコート、松本楼、売店などがあり、四季折々の花や緑が訪れる人々の目を楽しませています。

首かけイチョウ

園内にある推定樹齢400年、幹回り650cmのイチョウの木は「首かけイチョウ」と呼ばれています。1901年に日比谷通りの拡張工事で伐採される予定でしたが、公園の設計者である本多静六が「私の首を賭けても移植する」として園内に移されました。

日比谷見附跡

江戸城の名残を公園設計に取り入れ、日比谷見附跡や堀を利用した心字池などが設置されています。

ハナミズキ

アメリカへの贈呈として植えられた桜の返礼としてハナミズキが贈られ、日比谷公園にも植えられています。

記念碑・彫刻

日比谷公園内には、多くの記念碑や彫刻が設置されています。フィリピンの独立運動家ホセ・リサール像や、ローマの建国神話に基づくルーパ・ロマーナなどがあり、世界各国からの贈り物が展示されています。

公園の象徴的な施設

日比谷公会堂

日比谷公会堂は、1929年に完成した公会堂であり、昭和初期には日本最大級の文化施設として多くの講演会やコンサートが開催されました。この建物は当時の日本の建築技術を駆使したもので、外観には装飾的なアーチやドームが取り入れられ、独特な雰囲気を持っています。現在も様々なイベントやコンサートが行われ、市民に親しまれています。

大音楽堂と小音楽堂

日比谷公園には、大音楽堂と小音楽堂の2つの屋外音楽施設があります。大音楽堂は1923年に完成し、国内外のアーティストによるコンサートが開催されるほか、地域の音楽祭やイベントの会場としても利用されています。また、小音楽堂はより親しみやすい規模の施設で、アマチュア演奏家の発表の場としても活用されています。

松本楼

松本楼は、日比谷公園内にある歴史ある洋風レストランで、明治時代から営業を続けています。創業当時から多くの著名人に愛され、特にカレーライスが人気です。また、歴史的建造物としても価値があり、レトロな雰囲気を楽しむことができます。

防災対策

日比谷公園は、東京都地域防災計画により地区内残留地区や災害時臨時離着陸場、一時滞在施設などに指定されています。また、園内には災害用給水槽が設置されており、震災時には無償で清廉な水道水を給水することができます。

日比谷公園の歴史

公園計画の始まり

日比谷公園の設立は、当初、官庁集中計画の一環として日比谷ヶ原にも官庁の建設が予定されていましたが、地盤の悪さから計画が変更され、公園としての利用が提案されました。これが日本初の近代的公園設立の始まりでした。

初期の設計案と本多静六

東京市は1893年に日比谷公園の設計案を発表しましたが、その後も複数の案が出され、最終的には本多静六が設計を担当しました。彼はドイツ留学の経験を生かし、洋風と日本的要素を融合させた公園の設計を行いました。

開園後の発展

1903年に仮開園した日比谷公園は、洋風喫茶店松本楼や和風喫茶店三橋亭などが開業し、日露戦争の勝利を機に献木が盛んになり、園内の樹木も充実しました。また、戦後も多くの施設が再建され、現在の公園へと発展していきました。

日比谷公園の戦後と再生

戦後、日比谷公園は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に接収され、「ドーリットル・フィールド」と名付けられましたが、1951年に接収が解除され再整備が進められました。さらに2003年には開園100周年を迎え、その一環で「思い出ベンチ」が設置されました。

再整備計画

2021年7月、東京都は「都立日比谷公園再生整備計画」を策定し、公園内の一部エリアを再整備する計画が進められています。特に第2花壇周辺では、段差や柵を取り払い、自由に入れる芝庭広場にすることが計画されています。

アクセスと周辺施設

日比谷公園は地下に有料駐車場を備え、周囲には公共交通機関の駅が多くあります。最寄り駅は霞ケ関駅や日比谷駅であり、JR有楽町駅や東京メトロ銀座線虎ノ門駅からも徒歩圏内です。

周辺の施設

日比谷公園の周辺には、皇居外苑や帝国ホテル東京、東京宝塚劇場などの文化施設や法務省、厚生労働省、環境省といった政府機関が集中しています。また、TOHOシネマズ日比谷や帝国劇場などのエンターテインメント施設もあり、多くの観光客が訪れます。

Information

名称
日比谷公園
(ひびや こうえん)

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