品川インターシティは、東京都港区港南および品川区北品川にまたがる再開発都市であり、品川駅東口地区の大規模な再開発プロジェクトの一環として誕生しました。本プロジェクトは、旧国鉄の操車場跡地を活用して進められたもので、都市の新しい顔として注目を集めています。
品川インターシティは、興和不動産(現在の日鉄興和不動産)、住友生命、大林組が共同で開発を手掛けた大規模な再開発プロジェクトです。このプロジェクトは、1998年11月に竣工し、品川駅東口地区再開発計画のA-1地区に位置します。約35,564平方メートルの敷地に、A棟・B棟・C棟の高層オフィスビルやShop&Restaurant棟、ホール棟が立ち並んでいます。
品川インターシティの開発は、1984年(昭和59年)に興和不動産が旧国鉄品川駅東口貨物ヤード跡を取得したことに始まります。その後、1987年(昭和62年)には国鉄の民営化に伴い、隣接する新幹線基地の部分が国鉄清算事業団に移管されました。この土地も含めた大規模な再開発計画が検討されることとなり、1990年(平成2年)には「品川駅東口再開発地区計画策定委員会」が設置されました。そして、1992年(平成4年)6月には都市計画が決定し、1998年11月に品川インターシティが竣工しました。
品川インターシティは、A棟、B棟、C棟の3つの高層オフィスビルと、商業施設であるShop&Restaurant棟、ホール棟から構成されています。これらのビルは、1階部分のほか、2階部分にあるペデストリアンデッキ「スカイウェイ」で連絡しており、隣接する品川グランドコモンズのビルともつながっています。
品川インターシティAは、オフィスを中心とした高層ビルで、ビル全体が総ガラス張りのオーバル(楕円)状の形をしています。32階建てで、高さ約144.5メートルのこのビルには、近鉄エクスプレスや工機ホールディングス、フォーラムエイトなどの企業が入居しています。また、低層階には飲食店などの店舗も入っています。
品川インターシティBとCは、オフィスを中心としたツインビルで、それぞれ31階建て、高さ約139.9メートルです。B棟には大林組本社が、C棟にはNECキャピタルソリューション本社やニコン本社、有限責任監査法人トーマツ本部などが入居しています。C棟内には、かつてソニーの「品川テクノロジーセンター」として利用されていたスペースもあり、現在はニコンミュージアムとして一般公開されています。
A棟とB棟の間には、Shop&Restaurant棟があり、ここには飲食店や各種店舗が集まっています。また、毎週日曜日には建物前でフリーマーケットが開催され、多くの人々が訪れます。
品川インターシティホールは、1階から2階にかけて最大700名を収容可能な多目的ホールです。ここでは、各種イベントやセミナー、展示会などが開催され、地域の文化交流の場としても機能しています。また、地下1階には貸会議室やYKK APのショールームが設けられています。
品川インターシティと隣接する品川グランドコモンズとの間には、幅約45メートル、長さ約200メートルの品川セントラルガーデンがあります。この緑地スペースは、北側が港区の「汐の公園」、中央部分が再開発地区の公共空地、南側が港区と品川区の管轄する「杜の公園」として整備されています。敷地内には多くの樹木が植えられ、品川の自然をイメージした造形物も配置されています。周辺のビジネスマンや訪問者にとって、憩いの場として親しまれています。
品川インターシティフロントは、再開発地区のA-2地区に位置し、2001年に竣工したオフィスビルです。品川駅東口交通広場に隣接しており、品川インターシティとはスカイウェイで連絡しています。地上9階、地下1階のこのビルもまた、再開発プロジェクトの一環として地域の発展に寄与しています。
品川インターシティは、再開発によって誕生した新たな都市空間として、多くの企業や訪問者を魅了しています。その発展の背景には、旧国鉄操車場跡地を活用した計画的な都市開発と、地域全体を巻き込んだ取り組みがあります。今後もこのエリアは、さらに多様な人々が集まる魅力的な都市として進化を続けていくことでしょう。